【コンクリート】伝票にサインする時に1分でできる、2つの品質管理

品質管理

私は、土木歴21年目の現場監督です。
県や市から発注される公共工事に携わっています。

先日他の会社の現場監督の竣工検査準備の手伝いに
行った時に品質管理の書類整理の仕方で

 

おっ このやり方簡単でいいなぁ

 

と思うことがありました。
それは、コンクリートの納入伝票にサインする時に一緒に

「コンクリートの打設完了時間」

「外気温」

この2つを、伝票のあいている部分に書いておく

ということです。

1分で出来ます。

これをすることにより、コンクリートの品質管理の項目である

「コンクリートの運搬時間」

「暑中・寒中コンクリート」

この2つの項目を書類としてまとめる時に、
楽になったり書類の信憑性が増したりします。

どういうことか、1つずつ説明していきますね。

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コンクリートの品質管理① 運搬時間

ここでのコンクリートの運搬時間とは

工場で練混ぜ開始から、

現場まで運搬し現場でコンクリートを打設完了するまでの時間

のことを言います。

コンクリート打設の決まりごとの1つに

コンクリートを練混ぜてから打ち込み完了するまでの時間は、原則として外気温が25℃を超えるときは1.5時間 、25℃以下のときで2時間を超えてはならない

「コンクリート標準示方書」より引用

というのがあります。

コンクリートは時間が経つと固まり始めます。
その硬化速度は外気温が高いほど、早くなります。

練り混ぜから時間が経ちすぎて、
大きく品質の変化したコンクリートを現場で使用すると、
目的の構造物に不具合を起こしかねないため
時間制限の規程があります。

コンクリート打設の流れ
表は自作しています

工事ごとのコンクリート工場の選定の基準になったりもします。

さて、このコンクリートの運搬時間ですが、

工事竣工時の検査で非常によく検査官に確認される事項

になります。

 

いつも指摘されてました。整理苦手。

 

ですが、時間管理の整理というのは整理に工夫も必要で、
手間がかかります。

私もよく後回しにしたり、
なにかいい整理方法がないか考えているうちに
結局やらずじまいで、
検査で指摘を受けるといったことがよくありました。

書類整理の中でも、とても苦手な項目の1つでした。

ですが今回見つけた(人のやり方のパクリですが)
コンクリートの納入伝票にサインする時に一緒に

「コンクリート打設完了時間」

「外気温」

この2つを伝票の空いている部分に書いておくことで、
コンクリート運搬時間の整理問題が解消されました。

通常コンクリートの納入伝票には出荷時間(練混ぜ)
と現場到着時間が記入してあります。

これに、まず外気温を記入してやることで、
その日の適正な運搬時間が決まります。

そして、コンクリート打設完了時間を記入してやることで、

コンクリート運搬時間(練混ぜから打設完了まで)の証明ができます。

よってこの伝票だけで、
コンクリートの運搬時間の整理が完了するのです。

その日の気温や各時間の関係書類を作らなくても、
伝票だけで品質管理の1項目が、
整理できてしまうんです。

ホントに最初これを見た時

 

天才か?

 

と思いました。

これで、今まで煩わしかった
コンクリートの運搬時間の整理が解消されて
検査で指摘される事項が1つ減りましたよ。

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コンクリートの品質管理② 暑中・寒中コンクリート

上の1つ目の話は、
伝票に「コンクリート打設完了時間」と「外気温」を記入することで
1つの品質管理の項目の整理が完結しましたが、

この2つ目の話は、
書類に信憑性をもたせる手助けで
書類整理の補助的な話になります。

土木工事では、1年中コンクリートを使います

しかし、1年の中には四季があり、
夏には35℃を超すこともあれば地域によっては、
冬に0℃を下回るところもあります。

当然コンクリートの扱いも気温によって変わります。

日平均気温が25℃を超える場合 → 暑中コンクリート

日平均気温が4℃以下になる場合 → 寒中コンクリート

「コンクリート標準示方書」より引用

という風に、上記の気温帯に当てはまる場合、
特殊な施工方法を取らなければいけません。

暑中コンクリートも寒中コンクリートも、
普通のコンクリート施工に比べて
管理しなければいけない項目が増えます。

暑中コンクリートの時に増える管理ポイント
  • コンクリート打設箇所の温度対策、冷却など(型枠内・鉄筋)
  • 打設完了後、直射日光などで急激に乾燥しないように、養生マットなどを湿潤状態にしてかけて、乾燥を防ぐ。(これは通常のようでも行うことだが、暑中コンクリートの場合特にこまめに行う)
 

そんなに増えないね、管理ポイント。

 
 

暑中はね。問題は寒中コンクリートなんだ。

 
寒中コンクリートの時に増える管理ポイント
  • 使うセメントの種類の検討
  • 打ち込む時のコンクリートの温度
  • 囲い等でコンクリート打設箇所の保温
  • 養生期間中の温度管理    
 

これがまためんどくさい!

 

この、暑中コンクリートと寒中コンクリートの施工ですが、
上記のように、
暑中は日平均気温が25℃以上、寒中は日平均気温が4℃以下
という基準になっています。

よって、

日平均気温が24℃だったら、暑中コンクリートの管理はしなくていいし

日平均気温が5℃だったら、寒中コンクリートの管理はしなくていいんです

たった1℃違うだけで、現場監督の仕事がバッと増えたりするんです!

でも、気温って同じ町内でも離れた場所だったら、
2℃や3℃違うことがありますよね。

なので、
この気温の数値は実際現場で測った自分しかわからないのです。
天気予報で「〇〇町の今日の最低・最高気温は○度です」といっても、
自分の現場は〇〇℃でした。と言えばそれまでです。

気温が1℃違っただけで、増える書類

中には、日平均気温がホントは3℃だったのに、
書類上ごまかしてその日の気温を操作して5℃以上に
整理する現場監督もいるかも知れません。

気温の記録も現場監督のさじ加減、
ということももちろん発注者側もわかってます。

でもこの「日平均気温○℃以上・以下」というのは
そのくらいはっきりしない基準なんです。

そんな、真面目に整理しても嘘っぽく思われたりする
気温の整理に信憑性をもたせてくれるのが、
コンクリートの納入伝票にサインする時に一緒に

「外気温」

を書いておくことなんです。

もちろん、納入伝票にサインするタイミングが、
その日の最高気温かどうかは分かりませんし、
サインした時に書いた外気温が日平均気温を出す上で
必要な数値かどうかは分かりません。

しかし、これは

「コンクリートを打設するときは、ちゃんと毎回外気温を測定していますよ」

という

発注者側への「アピール」 で、それが日々の気温測定整理書類の

信憑性を高めてくれます。

現場でコンクリート納入伝票にサインしている横で、
外気温を測定している写真を撮っておけば完璧です。
(コンクリート打設○回ごとに1回など工事の規模に合わせて)

まとめ

今日は最近見つけた(パクった)
品質管理の書類整理を紹介しました。

自分自身今回のことは、本当にプラスになっていて、
今まで苦手で整理しにくく検査で指摘を受け続けていた項目だったので、
興奮気味で紹介しました。

伝票にサインする時に一手間かけるだけで、
得られるものは大きいと思うので

是非オススメです。

 

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